2012/01/15 

 《風邪の種類と対応》

 そもそも「風邪」という病名はありません。

 あるウイルス(200種類あるとも)によって咳が出る、のどが痛い、熱が出る…などの

  様々な症状がみられたものを総称して「風邪」と呼んでいるのです。

 そして、そのウイルスによって気管支で炎症を起こせば気管支炎、咽頭で炎症をおこせば

 咽頭炎…等の病名が付きます。

 つまり風邪の種類はウイルスの数だけあるのです。

 

 よく漢方で「かぜ=葛根湯」と思われがちですが、葛根湯を飲んではいけない風邪もあり

  ますので注意が必要です。

 「漢方はあまり副作用ないし体にやさしいから」と安易に自己判断で飲むのではなく、

 どのような症状であるかをよく見極めてからお飲みください。

 

 とはいえ、今回は一般的に「風邪」といわれているものをわかりやすいように簡単に分類

  してみました。

 

 《タイプ1.寒さによる風邪》・・・ 深秋から冬季の寒冷の時期にかかりやすい風邪

    症状:寒気・頭痛・軽度の発熱 etc

               しかし、発熱の初期だけに寒気が見られ、経過と共に寒気は次第に消失します。

    対応:体をしっかり温めて、少量の汗とともに風邪を体外へ出す。

               この初期の時に生姜湯や漢方薬の風邪薬として有名な葛根湯が有効です。

          また、服用後はしっかりと暖かくしてすぐに寝ることがポイントです!

    食材:生姜・ねぎ・にんにく

 

 《タイプ2.熱による風邪》・・・ 季節を問わずみられる一般的な風邪

    症状:熱感・のどの痛み・発熱・頭痛・のどの渇き etc

          陽気が多い子供や体力のある青壮年に多い。

             軽い寒気や体の違和感に引き続き、発熱・熱感が生じ熱が高く出ることもある。

    対応:生姜湯や葛根湯や入浴など体を温めるものは、「火に油を注ぐ」ように熱の勢い

            を増すため、悪化を招くので注意が必要です。

       体の熱を放散させ炎症を鎮めることが大切です。

      漢方薬ではあまり日本では馴染がないですが、中国では最もよく用いられるかぜ薬

      で銀散(ギンギョウサン)が有効です。

      又は荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)も効果的です。

    食材:新鮮な果汁・豆乳・緑豆 etc