2012/02/09
《インフルエンザ時の養生法》
冬の季節に困る病気にインフルエンザがトップにくるのではないでしょうか?
そのため、予防の為にインフルエンザワクチンを打っている方は多いと思います。
でもとある噂では6割ほど、又ある噂では3割以下の効果しか期待できないとか・・・
「高いお金払ってワクチン打っているのにいつも罹ってしまう!」「ワクチン打ってインフルエンザに罹ったらワクチン代返して欲しいわ」という奥様方の声をよく効きます。
しかも「ワクチン接種で軽度になると言われているし・・・」「異常行動はちょっと心配だけどインフルエンザに罹ったからタミフルやリレンザを飲まないと・・・」と、ついついいろんな情報に右往左往になりますね。
私の意見として、ここではワクチンの話はおいておいて、高い医療費を払ってびくびくしてタミフルやリレンザを服用しなくても、漢方薬の方が安くて早く効く!という事です。
もちろんちゃんとした体の現状分析が出来る漢方医や漢方薬剤師が処方をした漢方薬を飲めば!という前提ですが。
また、巷では「インフルエンザ=麻黄湯」という話題が出ていて、病院でも麻黄湯が安易に処方されてきています。
しかし、麻黄湯を飲んではいけないタイプのインフルエンザもあります。
そこで、もし病院で麻黄湯を処方されたら、是非ドクターに「なぜ麻黄湯なのか?」と聞いてみてください。
単純にただ「インフルエンザには麻黄湯だから」「風邪には葛根湯だから」という返事ならば、あなたの症状に合わないものを服用する可能性があります。
西洋医学のお薬は「病名=薬」でいいのですが、漢方薬の場合は本来「病名≠薬」で
「その人の証(体質やその時の体調)=薬」で処方をするものなのです。
安易な情報に流されないで下さい。
我家の子供の場合(因みに事情があり今年はインフルエンザワクチンをうちました)
1日目:朝:軽い寒気、軽い頭痛、喉の痛み、発熱(37.7℃) ⇒風熱表証
学校に報告のため病院へ→A型と判定される (駆風解毒湯)
軽い咳、微熱(36.8℃)
昼:元気いっぱい(暴れる)
夜中:昼間に遊びまくった為 頭痛、発熱(38.0℃)、咳
2日目:朝:寒気、頭痛、発熱(38.9℃)、咳、食欲不振 ⇒風熱表証+裏証
昼:軽い寒気、頭痛、熱(38.0℃) (駆風解毒湯+小柴胡湯)
夜:頭痛、熱(37.8℃)
3日目:朝:咳、微熱(36.8℃) ⇒薬の服用なし
昼:元気いっぱい(36.5℃)
夜:元気いっぱい(36.5℃)
今回のような場合(症状)に「麻黄湯」や「葛根湯」をもし服用させていたら恐らく高熱が
もっと続いていたと推測されます。銀ぎょう散が無かったので、駆風解毒湯で代用しました。
夜中に症状の変化があったらしく、瞬時に対応ができなかったため一時39℃近くまで熱が
上がってしまいましたが、1日寝ただけですみました。
もちろん学校は熱が下がって2日後に行かせました。
また、当薬局の患者さんの場合、特に熱が高い時は細かな対応が必要になりますので、
2~3時間おきに体温や症状の変化の報告をお願いしています。
前説が長くなりましたが、養生法を簡単に述べたいと思います。
①風寒型
症状:寒気、ふるえ、鳥肌、汗が出ない、発熱、頭痛、関節痛、咳、鼻水 など
(早期)対応:体表を温めて汗腺を開き、汗と共に病邪を発散して除く
昔から「卵酒を飲んで汗をかくと治る」といわれる状態です。
また、しそ入り生姜湯や葛根湯、麻黄湯が有効です。
注意点:卵酒や薬を服用した後は、すぐに布団をかぶるなどして温めしっとりと
汗をかくのがポイントです。
汗が出なければ無効、又汗が出すぎてもダメ!
②風熱型
症状:熱感、軽い寒気、体の違和感、発熱、喉の痛み、頭痛、口渇 など
(早期)対応:体表を開いて熱を放散させ炎症を鎮め病邪を発散して除く
この場合、銀ぎょう散が有効です。
「くず粉」も有効です。
くずは体を冷やす性質があり単独で使うとよいでしょう。
注意点:この病態に「風邪には葛根湯」「インフルエンザ=麻黄湯」といった通説を
安易に信奉すると悪化を招きます。