2013/04/26

《中医学(中国医学)と漢方医学(日本漢方)の違い》

  

中医学(中国医学)

漢方医学(日本漢方)

呼名 

中医学

漢方(日本化された中国医学)

理論

 

中国医学の歴史を踏まえて近代に体系付けられた。

古典「傷寒論」「金匱要略」における考え方を基本とする。

治療薬

「中薬」と呼ばれる。
古代から現代までの処方を基本に、
患者に応じて処方を組み立てる。

「漢方薬」と呼ばれる。
古代から清代までの優良処方と日本で
創製・変方した優良処方を基本に用いる。

ルーツと

その後の

発展

 

「傷寒論」だけでなく、さらに古い「黄帝内径(こうていだいけい)」という古典を教科書として、基本的な理論を学び、各時代の医療研究の成果を取り入れながら、理論と実践を両輪とした医学体系を発展させてきた。

(今尚、発展し続けている。)

「傷寒論(しょう かんろん)」

「金匱要略(きんきようりゃく)」

という古典を教科書として理論よりも実践を重んじた。

(鎖国により交流がなくなり

日本独自で発展。)

基礎理論

中医基礎理論、中医内科学、中医診断学、中薬学、方剤学、温病学等の教科書が有る

古典の「傷寒論」「金匱要略」を教科書とし経験を重視

診断方法

弁証論治(べんしょうろんち)

「証」を「弁(わ)」けて、「治療法」を「論」ずるという意味。

方証相対(ほうしょうそうたい)「証」と「方」を一致せるという意味。

「鍵(かぎ)」と「鍵穴」の関係と同じ。 

治療の流れ

 

     四診で、患者さんから症状を聞きだす。

②「どの臓器が悪いのか、

体のバランスはどうなっているか……」などと病気の原因を解明します。

③症状、病質、体質に合った薬を用意する。

     四診で、患者さんから症状を聞きだす。

②…(②の病気解明の手順は重視しない。西洋医学の薬の処方の仕方と同じです。)

③その症状と効能書きが合う薬を見つけて処方します。

処方の仕方の違い

 

1.

 

症状がでた原因を考えた上で治療方針を決め、有効な処方を選びます。

「肩やうなじが凝る」といっても、葛根湯はあくまでも選択肢の一つでしかなく、一人一人の病状に合わせて、薬の選択は柔軟におこなわれます。

寒け、肩やうなじが凝る、汗は出ない」といえば「葛根湯」を処方する。 

つまり、症状と処方がそのまま結ばれています。 

つまり「証」と「方」が一致するわけです。

 

2.

 

①症 候

悪寒・発熱・身体痛・頭痛・

汗が出る・浮脈

悪寒・発熱・身体痛・

頭痛・汗が出る・浮脈

②病 態 分 析

風寒の邪肌表を侵襲して邪正闘争

衛営が鬱阻されて体表を温められないので悪寒が生ずる。

邪正闘争で生じた陽熱が表に現われるので発熱する。

邪が太陽膀胱経を阻滞して「通じざれば即ち痛む」ので頭痛身体痛がでる。

など・・・

 

 

 

②~④の考え方が存在しない。

③弁 証 (証  を    弁   ず     る)

風寒表虚証

 

 

 

  ↓

 

 

 

 

④治 法 

辛温解表

⑤処 方 

桂枝湯

桂枝湯