2014.06.13

これから何回に分けて、「食べ物の性質」について述べていきたいと思います。

 

食べ物の性質と薬膳の基本

人の体質と同じように、食べ物にも性質があります。

食べ物の場合には、2つの見方をします。

「四気」と「五味」です。

この四気・五味の性質を利用して食べ物を組み合わせ、体質・体調の性質のバランスを整える

のが薬膳です。この食べ物の組合せは、漢方薬の調合と同じです。

薬膳ではこれらの食材の持つ特性を生かしながら調理することが大きなポイントになります。

(中国医学では、漢方薬も普通の食べ物も全く同じ区分けをし、効き目の強いものが

「漢方薬」、弱い物が「食品」と考えて下さい。)

 

普段私たちが「食べる」時には、「味」と「栄養」がポイントになりますが、

薬膳では「味」と「栄養」に加えて、

食べ物が

 ①その人に適しているかどうか    ・・・体内のバランス

 ②季節や寒暑の変化に応じているか・・・自然とのバランス

 ③食材同士が有効に機能するか   ・・・環境とのバランス

等という点も考えます。

これは、食べ物と人の相性、食べ物と食べ物の相性を考えるからです。薬膳のこういった考え方は、

中国医学のバランスの考え方から来ています。

 

また、「寒には熱を、熱には寒を、虚は補い、実は瀉す(流し出す)。」

これが中国医学の基本中の基本原則です。

この原則を無視すると、症状を悪化させてしまうことがあります。

 

中国医学では、病にはバランスが崩れた状態と考えます。厳密に言いますと、

病気

バランスが崩れて症状に現れている状態

未病
(病気でない)

バランスが崩れていても症状に出ていない、気づいていない状態
(普通の人はこの状態と考えます)

(理想)

バランスが整っている状態
(実際にはない理論上の状態)

というようになります。