2014/08/20

「食材の五味」~味で効能がわかる

食材は、その味によって、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(かんみ=しおからい味のこと)の五種類にわけられます。これを五味といいます。なお、五味はカラダの五臓にそれぞれ対応しています。

 

【酸味】

身体を引き締め、体液などが漏れるのを抑え、身体の中に留まらせる作用がある。

例えば、汗どめ、下痢、頻尿、精液のもれなどに用いることが出来る。

食材例: 梅、レモン、酢、ローズヒップ、サンザシなど

 

【苦味】

余分な熱を取り炎症を抑えたり、湿気を取って乾燥させたり、身体にとって毒でもあるものを取り除く作用があります。

例えば、ジュクジュクした肌の疾患や、おりもの、夏バテ、便秘を解消させたりする。

食材例: 緑茶、ぎんなん、陳皮、はすの実など

 

【甘味】

血液などの栄養成分や気を補給し、疲れを取ったり、痛みを和らげる作用がある。

例えば、疲労や虚弱体質、薬の場合は他の生薬との調和で用いたりする。

食材例: ピーナッツ、砂糖、はちみつ、ぶどうなど

 

【辛味】

カラダを温めて気や血行を促進し、発汗させる作用がある。

例えば、風邪の症状や、冷え症、冷えからくる痛みに用いられたりする。

食材例: しょうが、ネギ、唐辛子、コショウなど

 

【鹹味(かんみ=自然のしょっぱさ)

硬いものや固まりをやわらかくしたり、外に出す作用がある。

例えば、リンパ腺腫、筋肉や皮膚のしこり、便秘などに用いたりする。

食材例: 昆布、わかめ、あさりなど

 

 

そのほかに淡味、渋味があります。

◆淡味の食材には利尿作用を持つものが多くあります。

食材にはトウガン、ハトムギなど

◆渋味の食材は引き締める、出すぎるものを出渋らせる効果があります。

食材にはカキ、ギンナン、パイナップルなど

一般的に、渋味や淡味は含まずに 酸、苦、甘、辛、鹹の五味のバランスで薬膳の食材をえらびます。

 

五味

酸(さん)

すっぱい

収斂作用(粘膜保護)がある。

肝臓・胆嚢・目に良い

苦(く)

にがい

消炎作用(熱をさます)がある。

心臓に良い。

(かん)

あまい

滋養作用(養分を補給する)がある。

脾臓・胃に良い。

辛(しん)

からい

発散作用(体を温める)がある。

肺・鼻・大腸に良い。

鹹(かん)

しょっぱい

柔和作用(他の四味を中和させて吸収しやすくする)がある。

腎臓・膀胱・耳などに良い。