2014/09/12

秋の養生法

秋は五臓のうち、肺の機能が盛んになる季節です。肺はデリケートで、滋潤を好み、乾燥を嫌う特徴があります。このため秋は咳、喘息、胸痛などの症状がでやすいのです。

また、秋は枯葉が落ち、淋しくなりやすい季節なので、心身ともに愉快で安定した気持ちで過ごすように心掛ける。早寝早起きをして、肺気を養うようにして下さい。

 

【初秋(温燥)には、涼性、甘味、苦味の食材を使う】

初秋は、残暑と乾燥した空気の影響(温燥)で、喉の乾燥や痛み・鼻血などのため身体の津液不足の状態となるので、涼性、甘味、苦味の食材により余熱を取り、津液を生じさせて肺を潤すようにする。

刺激的なもの、例えばねぎ・生姜などは控えましょう。

あわ・れんこん・きゅうり・トマト・ゴマなどがよく使われます。

 

【晩秋(涼燥)は、温性で辛味・酸味の食材を使う】

晩秋は、冬の寒気が強くなり初秋の「温燥」から「涼燥」に変化します。

皮膚・毛髪の乾燥、シワ、フケなどを生じるようになる。

この時期は、温性で辛味・酸味の食材を使います。

もち米・米・くるみ・黒ゴマなどがよく使われます。

 

まとめ

秋は気候の変化が大きい季節です。初秋はまだ暑さや湿気が残り、中秋になると空気が乾燥し、晩秋には寒さを感じるようになります。生活面でも注意が必要です。

中国に『秋凍』という言葉があります。「慌てて厚着をしない」という意味で、徐々に寒さに慣れていくことが大切だということです。余り早くから厚着をすると体内に熱を発生させ汗をかき、津液(体内の液体)を損傷させ、陽気も逃がしてしまいます。

また少し寒いくらいの刺激は、大脳の働きを活性させ皮膚の血流の量を増加させます。皮膚の代謝が良くなれば寒さへの抵抗力も強まり、風邪などの発病を抑えることができます。